UX KANSAI #06 構造化シナリオ法
本日はUX KANSAI #06 構造化シナリオ法のセミナーに参加。
とりあえず、浅野先生から、「ブログ早いねー」と褒めて?もらえたので、今回も即日で忘れないうちにブログにまとめます。
本日のタイムスケジュール
13時〜13時半 講義、課題説明
13時半〜15時 アイディエーション
15時〜16時半 バリューシナリオの作成
16時半〜18時 アクティビティシナリオの作成
今更ですが、今回のセミナーは、一年を通してUXを学ぼうという初級者向けセミナー。
4月〜9月の5回では、インタビューや、その分析方法を学び、10月〜2月は、具体的なサービスへの落とし込みを行う。
で、ただ、落とし込みを行うのではなく、「しまなみ海道」でのサービスを考えていこうというのが、今回のセミナー。
◆講義
浅野先生から改めて、「モノ」を作ってはダメ。「コト・体験」を作らないといけないとのお話。
その中で、「自社の強みは何?」という問いに、他社よりも、例えば燃費がいいのですという風に誤認してしまっていると、世間が電気自動車になった時に、全く勝負できなくなる。という話。
先生は電気自動車は、日本では、「国土が狭く、すでにガソリン車のためのガソリンスタンドが全国に配置されている」状況のため、電気自動車は流行らないが、世界中ではすでに電気自動車にどんどん変わっていっているとのお話があった。
以前、展示会で似たような話を聞いたことがある。インダストリー4.0の話で、クラウド化や、人工知能による工場の品質向上・工数削減の話だったのだが、その中で講師の方が「日本では、従業員が優秀で真面目だから、クラウドや人工知能の導入の効果を感じにくく、導入が進んでいないが、中国では、この導入で一気に日本に追いつくような品質の製品が作れるようになる」とのことであった。
ここで2つのことと思った。
①日本というおそらくガラパゴスな環境下においては、世界に向けたサービスを見つけにくいのではないか?
②世界中で高機能・高品質のモノが作られるようになると、「日本製だから安心」という言葉は、意味がなくなり、今の多くの日本メーカーが自負しているであろう「高品質・高機能なものが作れるのです」という強みは、全く強みでなくなるであろう。
先生は、これを技術のコモディティ化とおっしゃっていた。
まさにその通りで、私が働いている会社でも、どういう「体験」をお客様に提供できることが強みなのか、もう一度考えてみようと思う。
◆アイディエーション
「デザイナーはたくさんアイディアを考え、ペルソナ/シナリオにマッチしたものを選ぶ」
何年か前に、一度奥山清行様の講演で同じことを伺ったことを思い出した。
記憶の中の話なので、一部違いはあると思うが、以下の様な事をおっしゃっていた。
「私の様なデザイナーは、優れた一つを作り出すのではなく、チームで、本当にたくさんのデザインを作り出し、その中から選び出す。一つしかデザインしない様なデザイナーは、デザイナーではなく芸術家だ。デザイナーは芸術家ではない。」
あとは、「アイディアのつくり方:ジェームス・W・ヤング」からの引用もあった。この本は以前読んだことがあって(非常に薄いので読みやすい)、特に「アイディアとは既存の様その新しい組み合わせ以外の何物でもない」というのは、私自身気負うものが減った気がしていた。
という「①数を出す」「既存の組み合わせで考える」をモットーに、しまなみ街道での新しいサービスを考えることとなった。
ここで問題。しまなみ街道についてフォーカスしていた「ビジネスモデルキャンパス」のセミナーを欠席していたため、何があって、何ができるのかわからない。
とりあえず、前半は、チームの皆さんの議論を付箋に書き出しひたすら壁に貼っていきました。
でいざアイディア出し。時間も短い中だったのですが、早速モットーは忘れていた。このあたりは、まだ意識しないとできていない、慣れていないだけだと思う。アイディア出しは、UXDに関係なく日々行うことなので、どんどん実践あるのみ!!
で、5人チームが一人3案づつ出し、「〜の価値」でグルーピング。
価値でグルーピングしないといけないのが、どうしても内容でグルーピングしてしまう。
居酒屋のメニューを「肉料理系」「魚料理系」「ご飯系」で記載するのではなく、「すぐに出てきて食べれる価値」「がっつりと食べて満足出来る価値」「食後の締めで今日はここまでと思える価値」みたいな価値で分類する。難しい。
どうしても、同じ系統で分類してしまう。でも今日はチームメンバーが相互にチェックし合えていた。こう言ったところがワークショップでチームビルディングがうまく行った時の効果なのかな。
ただ、以下の反省。
①ペルソナとビジネスに目が向いていない
ペルソナについて考えながらアイディアを出す→ビジネスとして儲からない→しまなみ街道について考えながらアイディアを出す→ペルソナにマッチしていない→ペルソナ・・・(以下略)
のループに陥りは、ダメダメと思う繰り返しだった。もっとペルソナとビジネスを空で覚えるくらいになって考えないとダメなんだと再認識。
②リフレーミングできていない
これは、リフレーミングが、自分がまだ全く習得(技術じゃないので習得という表現は間違っているかも)できていないから。こういうのがリフレーミングというのは知っているが、じゃあ「何か例を出してみて?」と言われても、全く思いつかない。これは日々考えていくしかないかな。
◆バリューシナリオの作成
バリューシナリオは、ペルソナがチームメンバーで十分共有できていたからか
・ユーザ情報
・ユーザーの本質的要求事項
・ビジネス情報
まではすぐにかけた。
ただ、
・ビジネスの提供価値
が書けない。チームメンバーであーだこーだと言い合い書き合い、一応時間ギリギリにまとまった。(ラスト5分)
おかげでシナリオは、ほぼ1分で即席で作ったため、グダグダでした。(この部分は後ほど)
ここでも浅野先生から、目から鱗の説明が一つ。
「ユーザの本質的要求価値は、アプリ上での画面のタブとかの入り口になる」
確かに!!!
これは意識しておくと、今までとは違うアプリを作れるようになるのではないかと思う。これ本当に大事だと思った。これも先生のお話ですが、
「昔のWEB画面は情報をツリー構造で表示していた。しかし今はスマホになり、ヒトの使いたい手順で情報を表示しないといけない」
まさにこれ。まだ業務で情報デザインをするとき、ツリーデザインをしてしまっている。しかもそれがさも美しくあるべき姿かのように。
ここも意識を変えないと。
◆アクティビティシナリオの作成
バリューシナリオで作ったシナリオの一つ一つをアクティビティシナリオとして展開する。
アクティビティシナリオを作るコツは
「おばあちゃんにも伝わる言葉で作る」(おじいちゃんでも可)
ヒトの欲求・要求は時代が変わっても、技術が変わっても、変わることはない。
以前UX KYOTOでUX中級ワークショップに参加したときにも伺った話。当時は、よくわからないまま、「スマホ」とかきたいところを「仕組み」というワードの置き換えていただけですが今回は、納得して作業することができました。
ただ・・・
シナリオがイケていない。
言い訳すると1分でなんとなく分割したからなのですが・・・
で、何がいけていないかって、まずしまなみ街道の旅を網羅できていないとか、UXとはあまり関係ないところだったのですが・・・
とは言いつつ、チームメンバーの優秀さに救われて、何とかアクティビティシナリオの作成も完了。
先生とシナリオの分割方法についてディスカッション。
その中で、先生から、繰り返しの旅をシナリオにしても良いかもねとのコメント。
例えば、
①お父さんが一人(もしくは友人と)しまなみ街道にサイクリングにきて、今回のサービスを知る
②お父さんが息子と二人で1泊2日のしまなみ海道への今回のサービスを利用して旅に来る
③お父さんが、家族全員を連れて、1週間のしまなみ街道への今回のサービスを利用して旅に来る
というような形でシナリオわけするという方法。
シナリオって、どうしても時系列に一つ旅を分割しないといけないとおもいがちですが、こういった方法でのシナリオわけだと「予期的UX」「一時的UX」「エピソード的UX」「累積的UX」という一連のUXも考えやすいのではないかと思いました。
◆今回のまとめ
今後の業務で以下を意識する!!
①日本の環境にFitするのではなく、世界に目を向ける!!
②アイディアは、既存の組み合わせでいいのだから、まずたくさん考え出して、書き出して、その中からペルソナ/シナリオに合うものを選択する
③普段からリフレーミングを意識する
④ユーザの本質的欲求をもとに画面を考えてみる
⑤シナリオの分割方法は、一つの旅の分割ではなく、そのユーザの前後をしっかりと含める形にする
今日の講義は、何か今までの先生のお話とか、他で聞いたことのある話がいろいろと繋がって、すごく充実した時間でした。
※ブログを書き出したのは当日だったのですが、思いの外作成に時間がかかり、10月10日になってしまいましたが、そのままです。