2017.7.8 UX KANSAI #02 オブザベーション

こんばんわ。大淵です。

先日7月初旬に、UX KANSAI主催 UXデザイン連続セミナー2017 #02 オブザベーションを開催いたしましたので、会場の状況などをご報告いたします。

前回【セミナーレポート】2017.6.3 UX KANSAI #01 ブートキャンプのとき、本当にたくさんの方がブログでセミナー報告をしていただきました。今回もこれから増えていくはず。

 

浅野先生:UX KANSAI #02 オブザベーション

受講者ブログ①:UX KANSAI #02 オブザベーション

受講者ブログ②:【UX】2017 UX KANSAIワークショップ 第2回

OBブログ:UX KANSAI #02 オブザベーション(2017.7.8)

運営スタッフブログ:2017 UX KANSAI #02 オブザベーション

■セミナー概要

本日のセミナーでは、HCDプロセス(ISO9241-210)でいう

「利用状況の把握と明示」:質的調査。ゼリーを食べる人を観察。

「ユーザーの要求事項の明示」:上位会関係分析。ゼリーを食べる人のユーザビリティの問題とUXを見つける。

「ユーザーの要求を満たす解決案の作成」:新しいゼリーを提案する。

を通して実施しました。

※今回は昨年受講者のOB・OGが4名も参加頂けました。ありがとうございます。

■観察

チーム内でゼリーを食べる人を観察しするため、チーム内で役割分担して、観察を実施しました。

  • モデレータが観察をコントロール
  • 被験者が思考発話法により発言した内容を記録する記録者
  • 被験者の行動を記録する記録者
  • iPhone動画撮影者

各チーム、「そこまで丁寧にゼリー食べたこと絶対ないでしょ」とツッコミたくなりましたが、そこはやはり大人が、大人4人に囲まれて、じっと黙って見つめられながらゼリーを食べることなんてないのだから当然かとも。

あとはモデレータが本当に立ち振る舞いが難しい。被験者がゼリーを口にしようとしたところで、「なぜ今そんなことをしたのですか?」と聞いてしまうシーンを何回か目にしました。モデレータは、あくまで、被験者がいつも通りにゼリーを食べれるように、また記録者が記録しやすいように立ち振る舞わないといけない。この辺りは、仮設を持ってインタビューしてしまうのと同じ過ちに繋がってしまうのではないかと感じます。

■上位下位関係分析法&エクスペリエンスフィードバック法

上位下位関係分析法では、「事象」を付箋書き出し、それらの「共通する問題点」をピックアップし「改善ヒント」を出す。またエクスペリエンスフィードバック法では、心理曲線とユーザーの作業ステップを書き出す。この二つを上下に配置するという方法での分析を行いました。

セミナー参加者のポストイットへの慣れというか、どんどんと書いては貼ってを繰り返すペースが早いなと。昨年受講者だった大淵は第二回でここまで早く模造紙にポストイットが展開されていくことはなかったなと感動しました。

ただ、この上位下位関係分析法で難しいのは「なぜなぜ分析」をどこまでできるのか?だと再認識しました。このなぜなぜ分析ができるとUXの世界に、なぜなぜ分析ができないとユーザビリティの単なる問題で止まってしまうと。

例えば

「ゼリーの蓋を開けておいておく場所がない」

「フルーツをスプーンで切ろうとしてなかなか切れない」

という二つがあった時。

なぜなぜ分析実施した場合

「ゼリーの蓋を開けておいておく場所がない」→「あまり無造作において机を汚したくない」→「机を汚し回るような大人に思われたくない」

「フルーツをスプーンで切ろうとしてなかなか切れない」→「大きな口を開けて食べたくない」→「行儀が悪い大人に思われたくない」

となぜなぜ分析していくと「変な大人に思われたくない」という問題点が見つかっていく。

なぜなぜ分析しない場合

「ゼリーの蓋を開けておいてく場所がない」→「蓋は、容器から完全に分離しないパッケージに改良しよう」

「フルーツをスプーンで切ろうとしてなかなか切れない」→「フルーツは、女性の一口サイズにしておこう」

となってしまう。こうなるとパッケージの改善を行う時に、単純に「蓋で困る人」「フルーツで困る人」のどちらが多い?という定量的な調査結果で「フルーツを女性の一口サイズにしよう」という結論になってしまう。

と上位下位関係分析ワーク前半は偉そうに思っていたのですが、各チーム後半になるとなぜなぜ分析が進んできていて、本当にすごい。

■発表

各チームからの成果発表。簡単にまとめると

  • 人に綺麗に見られたい
  • 男の人でも満腹感を得られそうと食べたいと思えない
  • 飽きてきてしまう
  • 好きな時に好きな量だけ食べたい(自分でコントロールできる)
  • 気持ちいい気分で食べたい
  • 義務感で食べたくない
  • お行儀よく食べれるように見られたい

といったUXがあり、それを改善しようと新しいゼリーのパッケージまで発表。

本当にお疲れ様でした!!

 

■今回の浅野先生語録

読んでから聞け

いや。他のスタッフが先に「セミナーは懇親会のためのチケット」っていう名言を出してしまったので、同じのは嫌だなと思い、社会人として「ビクッ!!」としてしまうこちらをチョイスいたしました。

浅野先生、セミナー受講者の方本当に、ありがとうございました&お疲れ様でした。